‘翻訳’ カテゴリーのアーカイブ

契約翻訳 松川先生のブログ9

2012 年 1 月 11 日 水曜日

契約翻訳コース(課外授業):
ある外人さんが、日本訪問中に見かけた「エ~ゴ」。(英文はアメリカのWebサイトから引用。生徒さんの訳ではありませんのでご安心を。)

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①東京のホテルの注意書き:
Is forbitten to steal hotel towels please. If you are not person to do such thing is please not to read notis.

forbitten-噛み付き亀でも浴槽にいそうですね。
steal-お客様に対して「盗む」とは、ずいぶん「率直」なお言葉。
please-「お客さんは数あれば喜ぶのっ!『特盛』牛丼と同じっす。」
notis-「ノーチスだからノーチス!私は歩く辞書よ。文句あっか?どすこい!」なんて女将(おかみ)の心意気が感じられますね。

②別のホテルの部屋の注意書き:
Please to bathe inside the tub.

to bathe-不定詞の何用法っていうんでしたっけ、こりゃ? Please教えて!
inside―浴槽内部って...確かカビキラーの宣伝に、内部に入りこんだカビもキレイに、なんてありましね。お客はカビか?
ビジネスホテルなどのユニットバスなら、”Be sure to wash your body in the tub.”ってところでしょうか。

③別のホテルの注意書き:
You are invited to take advantage of the chambermaid.

invited to-「ご招待申し上げます」って、賑々(にぎにぎ)しくご招待されちゃいましたね。で、何が始まるんですか?
take advantage of -「誘惑する」。 えっ?!
chambermaid-女性客室係り。マジッスカ? ご招待されても、それはまずいんじゃないの?! ストロスカーン前IMF専務理事もこの「注意書き」に従ったってぇ? 自慢になるか!

④九州でみつけた迂回路の標識:
Stop: Drive Sideways.
Sideways-「横向きに」。ここから「欽ちゃん走り」せよ、ってことね。納得。

⑤東京の店のPR文書:
Our nylons cost more than common, but you’ll find they are best in the long run.

nylons-「ナイロン靴下」。確かに辞書にあり。
cost-「費用がかかる」、「損失をこうむる」。ガソリンを食う昔のアメ車みたいですね。履けば履くほどドンドン金がかかるって。
best-ドンドン金がかかるのが最善って...! 毛むくじゃらのアラブの石油王に売るナイロン靴下かな?チョーキモ~イ!!!

⑥ホテルのエアコンの使用法:
Cooles and Heates: If you want just condition of warm in your room, please control yourself.

Cooles and Heates-「複数はesって学校でならったの!文句あっか?どすこい!」って、ここにもいた「歩く辞書」女将。
control yourself-「我慢する」。「ニホンノ、ホテルデェ~、ゼン(禅)ノココロ、ナライマシタ~」なんてユーモアの分かる外人さんだといいんですが。

⑦東京のレンタカー店のパンフレット:
When passenger of foot heave in sight, tootle the horn. Trumpet him melodiously at first, but if he still obstacles your passage then tootle him with vigor.

heave-「持ち上げること」。足持ち上げる乗客? ハ~ィ、ビリー軍曹のブート・キャ~ンプ...!?。
tootle-「ピーピー吹きつづける」。ホルン(horn)を...?「お豆腐やさ~ん。」
trumpet-「吹聴する」(昔命令などを布告する際、町じゅうにトランペットを吹いて知らせたことから)。trumpet him「カレシを吹聴する...」イケメンか? でなきゃイミワカンナ~ィ!!!
melodiously-「美しい旋律で」。ホルンありトランペットありで華やかですね。しかも最初は(at first) melodiouslyに...モーツァルトっぽいですね~♪
obstacles-(名詞)「障害物」。行く手に「障害物」?マリオやりすぎっしょ。
with vigor-「元気よく」。ハ~イ「元気よ~く」tootle!モーツァルトの次は「ヘビーローテーション」って感じかな。1!2!3!4! I want you! (I want you!) I need you! (I need you!) I love you!(I love you!) …オ~レッ!!(レレレのレオパレスのケン(健)さ~ン!!!)最後は元気オバサンの絶叫で終わりそう。で、何のパンフレットでしたっけ?

契約翻訳 松川先生のブログ7

2011 年 12 月 22 日 木曜日

翻訳をしている方は、長時間パソコンに向かうせいか、腰痛や肩こりに悩まされている方が多いとか。

私ことペンネームAKB48(「AKanBoketa(4ju8ro)」(「アカン、ボケた!」(始終やろ))も、長時間パソコンに向かうとボケます、じゃなかった肩がこります。その対策にと、できるだけウォーキングを心がけています。

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先週も始発電車でつくば駅まで行き、筑波大キャンパスを散策し、土浦まで歩き、まだ余裕があったので、さらに霞ヶ浦湖岸を歩いてきました。合計27kmぐらい。

「歩くのが健康によいことは今更説明が要りませんが、山歩きやウォーキングは、普段見慣れない雄大な景色を眺めることができたり、ちょっとしたスリルを味わったり、それに知らない人との出会いもあります。そして最後に感じる達成感は、何にも代え難いものがあり、疲れも吹き飛びます.....!?」

お花のように美しい言葉ですね~。AKB48(アッチの)のお歌みたいですね~♪♥。
自慢じゃないですが、AKB48(コッチの)はこんな旅行会社のキャッチコピーみたいな美辞麗句には動きませんヨ。ウォーキングなんか疲れるだけだもんね。
...まあ、「花より団子」。団子でもくれるんなら考えてもいいですけど....。どっちかというと団子より「ご・ほ・う・び」とか...(なんという浅ましい根性!プロですね~)。

日本全国(北海道は整備中)には、「長距離自然歩道」と呼ばれるハイキングコースが、今2万1千km(九州・北海道の直線距離は約2000kmですから10倍!)もあるんですと。いつのまにか政府が作っちゃった。それらが(何と!)皆繋がっているというから驚きですね(詳しくはwww.env.go.jp/nature/nats/shizenhodo)。

知ってました?私は、30年ほどハイキングをしていますが、去年まで知りませんでしたヨ!年間4,000万人以上の人が利用しているそうです。この数は、中高年ハイキングブームとはいえ驚きですね。
関東の「長距離自然歩道」は、特に「関東ふれあいの道」と愛称がつけられ(「長距離自然歩道」とは名称が異なるので分かりにくいのですが同じです)、1都6県1,600km以上を160のハイキングコースで繋がっています。
そして都や各県ごとの全コース(埼玉県なら13コース)を踏破し、指定された撮影ポイントの写真と簡単な感想文を提出する(詳しくは上記ウェブサイトから都や各県の関連サイトを参照)と、バッチ(県ごとに色が違う)と踏破認定書がもらえます。
私の場合、今埼玉、東京、神奈川、千葉、栃木の各コースを踏破しましたので、バッチと踏破認定書が5つたまりました。この「ご・ほ・う・び」が「チョ~、ウレシッ!!!」。各認定書はラミネートフィルム(100円ショップで手に入ります)に入れ、バッジといっしょに壁に飾ってあります。今は、6つ目のバッチをねらって、茨城県の18コースに挑戦中ってわけです。
さらに1都6県160の全コースを踏破すると、賞状(全踏破認定書)と純銀メダルの「ご・ほ・う・び」ももらえるんですヨ。

9月は栃木を回っていましたが、途中那珂川の河原で何十年ぶりにテントで一夜を過ごしました。ちょうど河原に芝生の広場があり奥に竹薮がありましたのでその竹薮の近くにテントを張りました。翌朝タクシーに乗ったときに運転手さんにその話をしましたら、「あそこはマムシが多いんですよ。雨の後上流の山からマムシが流れてきてそこの竹薮に引っかかるんです。」「.....。」 運転手さん、ホントに面白いお話ありがとうございました。

そこで上記のつくば駅と土浦の話につながります。その日は1日に2コース回り、「撮影ポイント」の写真を2つゲット!

確かに最近は肩の痛みは無くなりましたが、フトコロが痛み始めました。グシュン…。

(皆様は、いきなり真似しないように。最初は1日10,000歩(4kmぐらい)、週2、3回から始めるのがよいそうですヨ。翻訳の勉強も健康管理もマイペースで。)

契約翻訳 松川先生のブログ8

2011 年 12 月 21 日 水曜日

生徒さんの中には、和訳をするのに「まとめていいですか?」と質問される方もいらっしゃいます。会社で上司から「要約でいいから、この契約書を訳してくれ」などと言われたことがあるのかもしれませんね。
しかし、英文契約書の翻訳では、すべての単語を訳すことが原則です。
hereofとかtherefromなどの不要とも見える単語も訳してください。

アメリカン・ジョーク:
一人の宣教師がアフリカの村を訪ねました。そこは大変古い村で、未開な部族が住んでいました。宣教師の説法は、30分にもおよぶ大変長いものでした。
終わると通訳が立ち上がりました。彼はたった4語しか話しませんでしたが、皆腹を抱えて大笑いしました。
宣教師は不思議に思いました。
「いったい、30分の話をどうやったら4語に翻訳できるというんだ? この部族の言葉は、スバラシイ!!!」
疑問に思った宣教師は、通訳に訪ねました。
「奇蹟だ!たった4語しか口にしなかったのに...。あなたの言葉の意味が分からなかったけど、私の長い話をどのように4語で訳したのか教えてくれないか。」
そこで通訳は答えました。
「アナタ話長すぎあるよ。たから私言うネ。『彼ジョーダン言うあるよ―笑え!(He says jokes – laugh!)』」

くれぐれも、このような訳はしないように。

契約翻訳 松川先生のブログ6

2010 年 12 月 16 日 木曜日

「『今自分で英語を勉強するにはどうしたらいいのかしら』、と自問される方が多いのではないでしょうか。特にある程度英語のレベルが上がると、手取り足取りという教材はありませんね...。」
 「How-toもののお話しはしませんよ。誰でも『壁』に遭遇するもの。たじろいでウロウロするのが普通。それを乗り越える人はえらい。それを迂回する人も立派。最近読んだ本の中に興味深いお話がありましたので紹介します。」

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①ゆでガエル(Boiled Frog)の話:カエルを鍋にいれてゆっくり加熱していくとカエルは気持ちよさそうに目を閉じて...状況の変化に気づかず、そのまま茹(ゆ)でられて死んでしまう。急に熱湯に入れると、慌てて逃げ出し九死に一生を得る。

会社組織についての喩えでよく使われる。いつまでも過去の良かった業績に胡座(あぐら)を組んで組織改革を怠っていると茹でガエル状態になりやがて没落していく、なんていう。会社だけでなく、私たち自身にも当てはめることは可能。自分をマネッジするのは自分だから。外部環境の変化(温暖化のことではありません。みなさんが置かれている状況の変化のこと。)を勇気をもって認識してその変化に柔軟かつ迅速に対応するのを怠って、いつまでも昔からの自分のやり方に固執していても解決にならないということ。

②ダブル・ループ・ラーニング(Double Loop Learning)の話:問題に対して既存の目的や前提そのものを疑い、それらも含めて軌道修正を行うこと。ハーバード・ビジネス・スクールのクリス・アージスによると、(会社)組織における学習プロセスには「Single Loop Learning」と「Double Loop Learning」の2形態があるという。例えばサーモスタットを考える。Single Loop Learningでは22℃に設定した場合22℃で暖房が入る。しかしDouble Loop Learningでは、実際の室内の寒さやそれを利用する人の体調に応じて、暖房が入るのは18℃のときも24℃のときもあることになる。近年の経営環境において、組織の構成員が自発的な意欲と責任をもって変革に資するような行動をとるにはDouble Loop Learningが必要であると説いている。

これらの逸話は、薬にも毒にもなります。ご自分の英語の勉強に当てはめられるかどうかは、各人の「寒さ」の感じ方や「体調」の違いもありますので、人それぞれ。盲目的に鵜呑みにしてすべてを否定してしまうのでは毒になります。参考にして悩みを払拭(ふっしょく)するきっかけにするには興味深い話です。これらの話を契機に、柔軟な考え方や臨機応変な対応、またちょっと距離をおいて自分を見る見方ができるようになれば、ためになることでしょう。

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契約翻訳 松川先生のブログ5

2010 年 12 月 8 日 水曜日

 「契約の翻訳は、自分の「勘」と「経験」と「根性」(3Kという)に基づいて(?)、横のもの(英文)を縦(和文)にすれば済みそうだと思ったけど、翻訳という「商品」を作るとなると、なかなかそれだけでは足りない...」―――契約翻訳コースの受講生の皆さんも19回の授業の約半分を経過して、そう実感されているのではないでしょうか。

自己流「急がば回れ(Slow and steady wins the race.)」というわけで、その不安解消のために藁をもつかむ気持ちでやたらと参考図書を買い漁りたくなっているのではないでしょうか。このような気持ちは分からないでもありません。学校の試験前になると普段は見向きもしなかった小説を読みたくなった経験は誰でもあるのではないでしょうか。このような参考書漁りや時間を浪費するだけの道具(単語帳やノート)作りは、思わず踏み込みたくなるような魅惑的で美しい風景に見えます。あたかも富士山の樹海のように...。
しかしこのような参考書漁りや単語帳やノートなどの道具作りは有害無益で不要です。beating around the bush(藪の周りをたたいて獲物を追い出すような回りくどいやり方)にすぎません。下手をすると、「富士山の樹海に迷い込み、気が付いたときには白骨化している」危険もあります。

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いままでのように、受験や期末試験のために、与えられた知識を一気に吐き出すためにマル暗記用データベース(単語帳やノート)づくりに時間とエネルギー(とお金)を費やすことなどは、決してしてはいけません。高邁な知識や持って回った表現は、「商品」である翻訳を作成するには有害無益です。また不安をもつと皆感じる「私は英語の専門家だ」という慢心は、つまずきの石(stumbling block)以外の何物でもありません。
辞書こそが単語帳です。辞書を毎回ひくこと。できるだけ多くの英文に触れるため、(たとえば)対訳を利用して数をこなすこと。自分が契約当事者(売主、買主など)になったようにイメージし、できるだけ自分の言葉で表現するつもりで、「簡潔・明瞭・平易・日本語らしく」を心がけて訳してみることが、実務では必要なことです。
このような勉強方法は、今までの単語帳など道具づくり中心、暗記中心の学校での勉強方法とは180度異なるかもしれません。しかし、今はそれを改めなければなりません。1ヘクタールもあるイングリッシュ・ガーデンのバラ職人が、来る日も来る日も炎天下で、バラのアブラムシを一つ一つ取る作業自体に喜びを感じるように、契約翻訳の勉強の基本は、自分の日本語としての語感(感性)を研ぎ澄ませて、対訳の英語と日本語を、一語一語辞書を徹底的にひいて読み進んでいくことです。そのような「作業」自体を楽しいひとときと感じることです。具体的には、英文の意味の固まりづつ番号をふり、日本語の対応する箇所に同じ番号をふって訳す順序や言い回しを確認することです。
契約翻訳の勉強において、前述の急がば回れ(Slow and steady wins the race.)とは、このような単純な日々の「作業」を、以下の言葉を信じながら黙々を行うことを言います。

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●「人一たび之(これ)を能(よ)くすれば己(おのれ)之を百たびし、人十たび之を能くすれば己之を千たびす。」(中庸第二十章)

(現代語訳:「他人が一回すれば自分は百回し、他人が十回すれば自分は千回する。」)
(文意:他人が天才に見え、努力しても追いつけない気がするときがある。しかし実際には、その他人の百倍努力すれば、差はかなり縮まる。それをするかしないかは、決心の問題である。)

● 「力を用うるの久しき、一旦豁然(かつぜん)として貫通するに至りては、則ち衆物の表裏精粗(ひょうりせいそ)、到らざるなく、而(しこう)して吾が心の全体大用も明らかならざるなし。」(大学伝五章)

(文意:長い間真摯に努力を続けていれば、今まで日の目を見なかったことがある日突然、世の評価を受ける機会に恵まれる。報われない時も決して腐らず、ただ己の鍛錬のために生きよ。)

契約翻訳 松川先生のブログ4

2010 年 12 月 6 日 月曜日

契約翻訳コースの添削で気が付いた、受講生の皆さんが間違え易い法律英語をピックアップしてみました(添削で指摘しましたうちの一部です)。順不同

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間違え易い法律英語の用法
(Use of Common Words with Uncommon Meanings)
説明
1. represent and warrant: 「(事実を)表明しそれを保証する」。representは「代表する」ではありません。この表現の英米法上の特徴(諾成契約の特徴)と日本法(大陸法。要物契約の特徴)の特徴の相違や会社実務の紹介、representation and warrantyとcovenantsの違いや、warrantyの意味とguaranteeとの違い、それぞれの意味や会社実務の紹介は授業で図解し説明しました。
2. remedies at law and in equity: 「コモンロー上または衡平法上取り得る救済方法」。ただし契約上、lawをこのように訳すのはequityと対比したこのような表現に限ると言ってもよいでしょう。remediesの意味や歴史的意義、コモンローの意味や歴史的意義、equityの意味や歴史的意義は、授業で図解し説明しました。
3. in consideration of the above premises and the following covenants 「上記記載事項と下記の約定を約因として」。considerationは「対価」、「約因」と訳します。「配慮」ではありません。「対価」はどこで、「約因」はどこで訳すか、英米法と日本法(大陸法)の「契約とは」、英米法のenforceability(強制可能性)の意味、「強制」の意味、その他の契約成立要件、premisesの意味、covenantsの意味、covenantsとrepresentation warrantyの違い(上記アイテム1参照)、この表現の契約における意義などは、授業で図解し説明しました。また米国ロースクールのContract Lawの授業での「約因理論」の説明の仕方も紹介しました。
4. effective on (at) 「…(特定の日時)をもって、限りで」。この場合、effectiveは形容詞(有効な)ではなく副詞です。契約上の実例と訳し方は授業で説明しました。
5. decision 「判決」。長谷川俊明「続・法律英語のカギ」東京布井出版p.17に簡潔・的確な説明があるので引用させていただくと、「decisionというと一般には、決定とか決断をあらわすが、判決という意味もある。裁判所が下す判断の形式には、判決、決定、命令などがある。このうち、判決は後二者に比べより重要な事柄につき下されるものと考えられる。decisionは、判決のみについていうこともあれば、決定、命令までひろくカバーして使うこともある。判決のことは、judgmentともいう。判決には理由が付されるが、decisionは理由中に書かれた裁判官のopinionとは区別される。いわば、結論の部分にあたるのがdecisionの正確な意味である。裁判官の判断にも法律上の問題に対するものと事実問題に対するものとがある。事実(facts)については、とくに事実認定というがこのことをfindingと呼んだりする。米国では、損害賠償額(damages)の認定については陪審(jury)に委ねられるが、その陪審員の下す判断のことはverdict「評決」という。評決を受けて裁判官が、賠償責任を認定して出す判決のことをawardということもある。陪審では市民感情がそのまま評決に表れることが多く、その結果Product Liability訴訟などにあっては、賠償額の認定は高額になってくる。PL訴訟におけるミリオン・アォードの続出が「保険危機」を招いたことはご高承のとおりである。」
6. action 「訴訟」。行為ではありません。詳しくは田中英夫ほか「英米法辞典」東京大学出版会参照。
7. damages 「損害賠償(金)」。損害ではありません。但し「損害」の意味で使われる場合もあります(e.g. consequential damages)。詳しくは田中英夫ほか「英米法辞典」東京大学出版会参照。damagesの意味、penaltyとの違い、コモンロー上の意味、remediesとの関連、injunction(equity上のremedy)との相違など、授業では図解して説明しました。
8. alien 「譲渡する」。宇宙人や外国人ではありません。
9. avoid 「無効にする」。避けるではありません。「避ける」の意味でも使われる場合がありますので注意。
10. determine 「終結させる」。決定するではありません。「決定する」の意味でも使いますので注意。
11. advise 「通知する」。忠告するではありません。ビジネスレターで頻出。類義語にinform, notice, notifyなど(英和辞書参照)。
12. serve 「送達する」。仕えるではありません。名詞は日本語のサービスではありません。c.f. Service of Claim, Service of Process (令状の送達)。授業で図解し説明しました。
13. construction 「解釈」。建設ではありません。動詞はconstrue。constructではありません。授業で図解し説明しました。
14. by hand 「直接(配達する)」。本人どうしの手渡しではありません。授業では海外の事情や会社実務(実際の方法)を紹介し、図解して説明しました。
15. motion 「申立て」。動きではありません。
16. instrument 「証書」。計器や楽器ではありません。授業で説明しました。
17. provided 「ただし」「...の条件で」。提供したではありません。provided, however, that …の形が多いですが。類義語としてunless, except for, except as, butなど、またそれぞれの用法と訳し方(except asなど)を授業で例をあげて説明しました。
18. without prejudice 「権利を損なうことなく」。偏見なしにではありません。remediesとの関係、権利と権限の違い、コモンローの救済手段、衡平法上の救済手段、この表現が使われる実例、会社法務での用例などを、授業で図解して説明しました。
19. an exclusive right to manufacture, have manufactured, use, sell, have sold and offer to sell the Licensed Products 「ライセンス製品」を製造し、製造させ、使用し、販売し、販売させ、かつ販売の申込を行うことができる独占的権利」。下線は「製造した」、「販売した」ではありません。市販の英文契約の翻訳書でもこの表現は間違って訳されているのがありますので注意してください。haveは完了形ではなく使役(manufactured, soldは倒置)です。授業で図解して説明し、期末(または中間)試験でも出題しました。
20. and 「しかし」、「従って(前にコンマがつく場合が多い)」。ワンパターンで「と」と訳していると翻訳力を疑われる(その前に日本語にならないが)。授業では、通常のandの訳「および」、「ならびに」とor「もしくは」、「または」を対比して図解し説明しました。「しかし」や「従って」と訳す場合の事例も挙げました。
21. or 「すなわち」。これも授業で例を示して説明しました。「または」、「もしくは」(それらの違いは授業で説明しました)とこの「すなわち」の見分け方は、英文の前後の関係や全体を見て判断します。日本語に訳してみておかしいと感じるかどうか、日本語の語感の問題になります。
22. may 「できる」、「(訳さない)(関係節などで可能性を表すだけの場合)」。よいとは訳しません。
23. may not 「してはならない」。授業ではmay notが禁止を示すことを明確にする(練習する)ため「できないとは訳さないように」と説明しています。ただし、会社法では「できない」という権利を否定する意味で使われており、内閣府の会社法の英訳版でもmay notと訳されています。
24. shall not 「してはならない」。しないものとするではありません。禁止を示すことをはっきり訳す意味で授業では「してはならない」と訳すように説明しています。
25. will 「するものとする」。であろうではありません。shallとの違いについて上記の長谷川俊明「続・法律英語のカギ」東京布井出版p.34は(たとえば)「ローン・アグリーメントの当事者間では、一般にBorrowerよりLender側が契約条件の交渉についても優位に立つことが多い。いわば、superiorなbargaining positionをもつのである。Lenderがみずからの義務をあらわすときはwillを用い、逆にBorrowerの義務についてはことごとくshallを用いているのはbargaining positionの反映とみることができよう。」とある。

このような英語にぶつかったら、つまり普通の日本語の意味で訳して、日本語らしくない、と感じたら、次にすることは辞書(英英も含め)にあたることです。経験・勘・根性(3Kという)だけに基づいた「自分なりの訳」は決してしないこと。

* 詳しくは、長谷川俊明「法律英語のカギ」東京布井出版、「続・法律英語のカギ」東京布井出版(なおこれらの書物は絶版の可能性があります)、田中英夫ほか「英米法辞典」東大出版会、などを参照してください。

契約翻訳 松川先生のブログ3

2010 年 12 月 4 日 土曜日

先日早朝、久しぶりにマクドナルドに入りました。飲み物とコンビで¥200。
マックのコーヒーは意外と(失礼!)美味しい。
持ってきたニューズウィーク最新版(日本語版では12/08号)に何気なく目をやると面白い記事がありました。
「食卓に広がる新・社会格差(Divided We Eat)」(p.44)。「ロカボア」(Locavore)(地産地消主義)に触れられていました。「地元産の有機食材を食べるようにすれば、家族の健康を守れるだけでなく、家畜と農家の実存的幸福を高め、さらには地球を破滅から救える」と考えている人を紹介していました。
しかし「貧しい人たちがロカボアを実践するのは無理かもしれない」とも。アメリカ社会は、「今や食べ物は貧富の差を映し出す鏡。新鮮でヘルシーな食にこだわる中・上流層が増える一方、低所得層は不健康な食事しか選べない状況に陥っている」という。「今やアメリカ社会では、ファッションに代わって食卓に並ぶ食べ物が社会階層の目印に。新鮮で体にいい食材は金持ちだけの『贅沢品』」というわけです。

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この記事では「低所得層に手が届くのは主に高カロリーの食べ物。格差大国アメリカは極めて肥満が多い。所得格差が比較的小さい日本との違いは明らかだ」と言っています。

昔私(ペンネームAKB48(AKanBoketa4ju8ro「あかん、ぼけた(始終やろ)」)がアメリカにいたとき、黒人低所得者層を揶揄(やゆ)するTVドラマで、家族で大きなKFC(ケンタッキー・フライドチキン)バケットに舌鼓をうつシーンがありました。もっとも、黒人中心のドラマだったので、これは自虐的ジョークだったのかもしれません。アメリカでは黒人=KFC(低所得者層=マック)ということか、と考えさせられたものです。
 しかし、日本社会も所得格差が広がり二極化が進んでいると言われていますね。私たちとて他山の石とみるわけには行かないのでは。
そういえば日本では昔「貧乏人は麦を食え」と言った大臣(池田勇人)とか、「めざしの土光さん」という方がおられましたね(詳しくはWikipedia参照)。最近はインターネットを見ると「粗食のすすめ」なる本も目にしますが、昔と違い、粗食と安い食事とは必ずしもイコールとはいかなくなってますね。健康を考えて粗食で済ませたいのはヤマヤマだけど、家計を考えると高カロリーの安い食事で我慢せざるを得ない。かといって、とっとこハム太郎やピカチュウみたいになっても誰も「カワイ~」なんて言ってくれないだろうし...。どうすりゃいいのさ池田さん、土光さん。
ちなみに私AKB48の今日のお昼は...ナ・イ・ショ(マックでもめざしでもありませんけど)。

契約翻訳 松川先生のブログ2

2010 年 12 月 2 日 木曜日

私ことペンネームAKB48(AKanBoketa4ju8ro(あかん、ぼけた(始終やろ))は、受講生からメールされた契約翻訳の添削を一休みし、今Cokeを飲みながらこれを書いている。

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昔スリランカでゼネコン社員として仕事をしていたとき、同僚Aから聞いた話。
ジャングルの現場での昼休み、近くの屋台でコカ・コーラを買ってベンチに座り、別の同僚Bと雑談をしていた。同僚Aは、左にいる同僚Bの方を向いて話しながら、右横においたコーラのビンに手を延ばそうとしたが...無い!!何度か同僚Bの方を向きながらコーラのビンを手探りしたが...やはり無い!!ベンチの下に落っこちてしまったかと思い、ビンの方を振り向いたら、裸の6,7歳の村の子が両手でそのビンを握り締めそれをグイグイと音を立てて飲み干そうとしているところであった。

同僚Aは東京に帰任して、その笑い話を同僚Cに話した。すると同僚C「実はオレも大阪で同じ経験がある。」「マサカァ~」皆半信半疑だった。同僚Cはボソボソ話し始めた。
「大阪の現場で、オレも横に置いておいておいたコカ・コーラに手を伸ばそうとしたら...無い!!ふと振り向くと、裸ではなかったがやはり近くの小さなガキが両手でビンを握り締めてグイグイと音を立ててコーラを飲み干そうとしていた。そのガキと目が合ったとたん、ガキがドンとビンをベンチに置いて逃げ出した。その時そのガキはノタモウタ...『まだ残ってんデェ~』」一同しばし沈黙....。同僚A「上には上がいる!!!」。